On Liberty 2
- scallopshcolarship
- 2024年4月15日
- 読了時間: 3分
更新日:4月28日
JOHN STUART MILL
On Liberty and The Subjection of Women / Edited by ALAN RYAN (PENGUIN CLASSICS)
読んだ箇所:P21-30 Introduction
Key words: Atheist, Tyranny of the majority, Individualism,
Egalitarian society (Mass society), Public opinion, Conformist, the antagonism of opinions, Paternalistic interference, man as a progressive being, the collective sentiments, a rational molarity,
良く知らなかった言葉についての調べもの …主にブリタニカ国際百科事典による。
・Rights of Man; Thomas Pain の作品(1787年発表)。ペインはイギリス生まれだが、アメリカに移住、一時フランスでも生活していた。
アメリカの独立に関するパンフレット”Common Sense”が有名。”Rights of Man”はフランス革命と共和制を擁護する内容で、バークと対立。
・Burke, Edmund; イギリスの政治家。保守主義者でフランス革命に反対の立場から「フランス革命に関する省察」を発表した。
・Social contract theory; 社会は個人間の契約によって人為的につくられたとする政治学説。近代の自然法及び自然権の観念と結びつき、近代革命を指導する原理となった。
意味がよく分からなかった英文
Knowing which of the things we might want to happen are those which we have a right to have happen is a matter of employing the utilitarian arguments that support a rational morality.
私たちが求めることが許されるものの中で、どれが「権利」といえるのかについては、功利主義者が合理的な道徳律を擁護する理由として重要なことである?つまり何が権利なん?
印象に残った文章など
P22 Mill concluded that it was essential to set up an ideal of human life that could challenge a democratic society’s tendency toward uniformity and mediocrity.
P26 The elaborate electoral mechanisms of what we now call“liberal democracy”are only one way of allowing ordinary people to call the holders of power to account.
P27 … a government dominated by public opinion could hardly do other than enact public prejudice into a law.
自分なりのまとめ
ミルはルソーの社会契約論を受け入れなかった。
自然権・自然法学説を採用しておらず、功利主義の立場から権利と法を考えた。
さらに、効用とは“進歩していく存在としての人間”における効用であり、そのような人間にとっては、もっとも基本的な利害関心すら変化していくものであると考えた。
ミルが権利と呼べると考えたのは、個人の身の安全の確保のような、重要性の高い利害関心事だった。自己防衛は正統な権利である。
一方、他人に特定の思想や理想を強制するようなことは認められないと考えていた。
ミルはトックビルの「民主主義が多数派による圧政につながる」という懸念に深く共感し、イギリス社会の問題は圧政よりも社会的な同調圧力のようなもの(P15 a society’s psychological hold over its member’s)であると考え、非常に憂慮していた。
法や道徳律は感覚・感情(罪悪感や良心)によるのではなく、理性に基づくべきである。
権利とは社会に対する正当な要求・請求権である。それは道徳律・法律となって人々を従わせる。社会がよりよく機能するために、人々は法の支配に従う。正直P31のcooperationについてのくだり、よくわからなかった。
ミル没後、20世紀のリベラル論客は、自由の前提条件として貧困からの開放や十分な教育を受けられないによる不都合について注目するようになる。とりわけBertrand RusselはMill‘s godsonであり、20世紀リベラルのiconである。
感想
現代では多様性を認めるというのが大人のマナー・一般教養化しているし、戦後の日本は宗教も自由なのであまり思想や言論への圧力は感じない。宗教的な権威に逆らうことに関して、近代以前の西洋では格別の注意が必要だったんだろうな。「無神論者に良心はない、だって神の罰を信じていないのだから。」という超理論がまともに語られていたのだ。
あんまり哲学的なことを考えるのは向いてないので道徳律と権利のあたりはさらっと流そう…。とにかく、自己防衛の権利と言うのが核心で、他人に損害を被らせない、傷つけない限りは自由に考え、行動できるということよね。
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