On Liberty 8
- scallopshcolarship
- 2024年7月4日
- 読了時間: 3分
更新日:4月28日
JOHN STUART MILL
On Liberty and The Subjection of Women / Edited by ALAN RYAN (PENGUIN CLASSICS)
読んだ箇所:On Liberty Chapter Ⅲ
まとめ
ChapterⅢは短かった。内心と意見表明の自由だけではなく、行動・生き方の自由について。
まず、一人の人間について
・自分の行動を自分で選ぶ➩そのために知的な能力(理性だけでなく感情、感性も含めて)が鍛えられる➩それを行動に移す・やり遂げる➩行動力と強い意志が身に付く➩やればやるほど成長する
P67 The human faculties of perception, judgment, discriminative feeling, mental activity, and even moral preference, are exercised only in making a choice.
He chooses his plan for himself, employs all his faculties.
P69 A person whose desires and impulses are his own – are the expression of his own nature, as it has been developed and modified by his own culture – is said to have a character.
さらに、その効果は周りに広がっていく。
P72 In proportion to the development of his individuality, each person becomes more valuable to himself, and is therefore capable of being more valuable to others.
…There is a greater fulness of life about his own existence, and when there is more life in the units there is more in the mass which is composed of them.
変人がみんなの役に立つことを為すかもしれない。むしろ、普通の人々よりもその可能性が高い。なぜなら新しいことをしている人こそ変人と思われがちだから。だからみんなと一緒であることに価値を置くのではなく、多様性に価値を置くべき。そうすれば社会が発展する。みんな一緒だと社会は停滞する。
社会が発展すると生活が豊かになって、そこで暮らす人々は幸せになる。自由に行動できる幸せな個人が増えると社会もよくなるという好循環。
感想
反面教師として中国(清)について言及されているんだけど、あかんやろ。
ミルは1823年から1858年まで東インド会社に勤めていた。(On liberty出版は1859年。)
日本大百科全書によると、東インド会社は1834年まで中国とイギリスの貿易を独占しており、インドでアヘンを植え付け、精製もしていた。そのアヘンが民間業者へ、さらに中国へと流れて年々量を増していき、「中国へのアヘン密輸は、当時のイギリス資本主義にとって死活の重要性をもつに至ったのである。」そして、1840年~1842年、アヘン戦争。
ミルが名士として社会的評判を保てたのは東インド会社社員としての収入に支えられた35年間があったからで、ただの作家だったら生活も名声も違っていたと思う。その仕事の一面にインドの統治や中国との貿易があり、それについて悪びれることなく“ヨーロッパは進んでいるからThe Eastの国々に良い影響を与えてあげるね。きついかもしれんけど開国してうちらのやり方受け入れて。絶対(うちらは)損しないから。”くらいの認識っぽいことに引くわ。ヨーロッパの中にいろいろな国・思想があるように、インドにも中国にもいろいろな国・地域、人々がいる。中国はかつて素晴らしかったけど今(19世紀半ば)は停滞していると。封建制で停滞している、共和制や民主制に変えたら?って思うのはわかるけど、それはその土地の人たちの仕事やん。
世界中と貿易したいから交渉する、開国を呼びかけるのはいいけど、絶対その過程で反対派を殺してるor殺すって脅してるよね?アヘンだって、これ使ったら中毒になって寿命が短くなるとか使う人増えたらイギリスが儲かるとかの情報を事前に周知してないよね?この辺が19世紀のイギリス人の限界なんかな。ミルは中国もインドも行ったことなかっただろうし。
次はB. Russellを読むつもりなので、このあたりについてどう考えられているのかを知りたい。
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