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On Liberty 6

  • scallopshcolarship
  • 2024年5月27日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月28日

JOHN STUART MILL

On Liberty and The Subjection of Women / Edited by ALAN RYAN (PENGUIN CLASSICS)

読んだ箇所:On Liberty ChapterⅡ後半

 

前回の続きでP42以降をまとめていく。

 

前回までの超まとめ:I denounce and reprobate this pretension. “This pretension”=“an assumption of infallibility”

人の話を聞け。自分の考えに自信がある者は、黙る必要ない。でも反論する人の言葉もちゃんと聞くべし。

 

P42~53の超まとめ:“the intelligent and living apprehension” ➩ “a dead dogma, not a living truth”

 結論の正否と同じくらい、その根拠について考え、知っていることが大事。一度、正統で真理であると世に認められた言説・理論についても、常に問い続けられ、反論に耐え続けることによってその正しさが保たれる。いかなる真理も、それを説明したり、反論に再反論したりする必要がなくなると正しい意味の理解がされなくなり、真意がないがしろにされるようになる。

 というわけなので、「文句や揚げ足とりばっかりしてんじゃないよ。」と言わずに、反論や欠陥の指摘を歓迎するべき。

P53 If there are any persons who contest a received opinion, (中略), let us thank them for it.

 

P53~61の超まとめ:たいていの言説は、一部だけ正しい。完全にまるごと正しい言説はほぼない。

P53 …when the conflicting doctrines, instead of being one true and the other false, share the truth between them…

 

P54からの一節で、ルソーがその後の時代に与えた影響について述べられている。

ここは比ゆ的な表現が多くて、おもしろく読めた。

“a salutary shock did the paradox of Rousseau explode like bombshells in the midst”

“Nevertheless there lay in Rousseau’s doctrine, and has floated down the stream of opinion along with it, a considerable amount of exactly those truths which the popular opinion wanted; and these are the deposit which was left behind when the flood subsided.”

正直、“and has floated down the stream of opinion along with it,”が挿入されている意味がよくわからないけど、なんとなくで読んだ。時代の強大な思想潮流に負けずに、生き残り、後世に影響を与え続けているルソーの思想には、その時代の大勢を占めていた思想には欠けていた一面の真実があったということだね。

 

(告白すると、ルソーの本読んだことないよ。ルソーの「人間不平等起源論」とバークの「フランス革命についての省察」は一年以上積読なんよ。子どもが幼稚園通いだしたら読書捗るだろうなぁ~って、思ってた時期もありました。でも子どもは昼過ぎに帰ってきて、その後10時、下手したら11時まで跳んだり跳ねたりフルパワーで遊び続け、それに付き合わされる四十路の母はへとへとになり、読書は思ったほど捗らないのだった。あるある。)

 

 続いてやはり、キリスト教に関する言及。「教会や神学者の教えてくれる道徳や真理に、反論の余地や欠陥などないのでは?」という反論が予想されるのでそれについて説明するね、ということらしい。キリスト教に詳しくなくても理解できるように書いてあって、単純に「今の教会や神学者の教えは、キリスト本人が示したことや新約聖書の内容を超えている。純粋に聖書を読めば、それがすべての道徳や真理を網羅するものではなく、そうあることを目指しているものでもないことがわかる。」というわけで、キリスト以前の道徳(ギリシャ・ローマなど)や、無神論者や異教徒の主張にもみるべきものがあると主張している。

 

P59 the interests of truth require a diversity of opinions.

 

感想

 自分たちの教義が絶対に正しいと主張しているのがそもそも異教・分派に対する防衛であり対抗心の現れよね。しかも「信じて従わないと地獄に堕ちるぜ」と言って脅してくる。それって正しい理屈じゃない。にもかかわらず「理屈が正しから信じよ」と言ってくる。なんか納得できない…。

 一神教の信者が信じていることを理解するのは難しい。人生数十年、その間働いた悪事数件に対して、地獄で永遠の罰を受けるって帳尻合わなすぎん?

 オカルトは好きなので、宗教についても関連読書したい。

今度読みたい本のメモ:「宗教の起源 ロビン・ダンバー(著)」白揚社

 やっとChapterⅡに区切りがついた!休憩しよう。

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