「ポスト政治の政治理論」2
- scallopshcolarship
- 2023年11月8日
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読んだ本「ポスト政治の政治理論」 松尾隆佑 2019年 法政大学出版局 P75-110
予め知っていたこと、聞いたことはあったことの復習 原子力安全協定:事実上、原発の運転再開には地元自治体の同意が必要 コーポラティズム型の利益媒介:対概念に多元主義的な利益媒介システムというのがある。 期待効用、限定合理性、合理的経済人:学生時代の思い出↓
教授「白鳥さんにとって、合理的ってどういうこと?」白鳥「将来後悔しないことです」
教授「うーん…?」(単位はもらえた。) 応答性:第1章の復習。高めるには;統治権力に対する拘束性の確保、透明性の確保、制裁可能性を通じた答責性の確保
新しく知ったこと、覚えたこと、印象に残ったこと P78 ステークホルダー分析を通じたステークホルダー分布の把握と包摂範囲の画定が行われない場合には、ステークホルダーの包摂は、組織化された少数の団体との接触を通じて行われがちになる。(引用者により一文省略)だが、そのような顕著なステークホルダー団体だけでは代表しきれないほど利害関係が分散ないし多様化している場合、既成のステークホルダー団体間での合意が持ちうる正統性への批判が強まることになる。 P81 さて、利己的行為主体を平等な存在と見なし、その自律追及を尊重するべき理由は何であろうか。 P85 普遍主義的なシティズンシップ保障による多様な生の下支えこそが重要である P90 政治主体としての自律を追及するにあたっての能力的な阻害条件は、制度的支援によって除くことができる。 方法論的個人主義、語りえないステークホルダー、言説的代表、実体的代表観、不在のステークホルダー、アーキビスト
感想・解釈メモ 前回読んだときよくわからなかった「第2章 ステークホルダー分析」。やっぱり難しいので途中で区切る。 ステークホルダーとは?利害関係とは?から始まって、平等、自己と他者、関係性など哲学的なことが多く書かれている。 再読にも関わらず「新しく知ったこと・印象に残ったこと」に書く項目が多い…。 ステークホルダーの主体を明確にしようとして展開されている論説の中で「社会的に認められた」「相互承認」「政治的に画定される」「政治社会の広範な合意」などの言葉が出てくるのが循環論法っぽくて頭がぐにゃ~っとしてくる…。 そもそも政治理論による新たな政治ビジョンの提示として、ステークホルダーデモクラシーの話をしている本書。 ここまでを自分なりに順を追って要約すると、 ①政治は集団の秩序化であり、そこには集合的な意思決定プロセスがある。 デモクラシーは、集団構成員の「政治的平等」と人民主権という理念にもとづく集合的な自己決定である。 ②集団構成員が政治的に平等であることは、政治的に画定される。 ❶ステークホルダーデモクラシーの主体はステークホルダー(争点に利害関心をもつもの)である。 ➋ステークホルダーの範囲の決定には、平等・「必要」などの社会的・政治的に認められた概念が利用される。 P56に「本書の立場は、(引用者により省略)一種の改良主義であり(お好みならば)プラグマティックな漸進主義とも呼びうるものである。」 とあることから、現在すでにある民主的国家における平等・基本人権・自由などの価値観を前提としているということかな。 ただし、ステークホルダーデモクラシーが国家を超える規模の問題解決に適用される場合、このような価値観を持たない国家の領域内にもステークホルダーが存在する可能性があって、…いや、そもそも平等・「必要」が認められていない国に籍がある人々はステークホルダーとして包摂されない?誰かがその人をステークホルダーとして認めて包摂してくれる?このあたり続きを読んで理解していきたい。 今のところこの章で一番ピンときたのは“利害関係を下位概念に分割する”“主体の自由が拡大する=利益が拡大するという結果に結びつきやすい”というところ。
関連・発展学習 確率には、主観確率と客観確率があるらしい。数学苦手なので今はまだ深く追及しないことにする…。
最後、P110にさらっと出てくる「グローバルな分配的正義にかかわるネーションの特権性をめぐる議論」という一節。全くわからなかったので検索したところ、上原賢司さんの「『国際的な』分配的正義」という論文がヒットした。 現代政治理論において、「分配的正義」という原理は世界全体に適用されるべきか、国家レベルでのみ適用されるべきかという論争があるとのこと。 去年読んだときはこういう専門的な文脈で使われている言葉をさらーっと流していたから消化不良だったんだな。

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