「ポスト政治の政治理論」4
- scallopshcolarship
- 2023年12月7日
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読んだ本「ポスト政治の政治理論」 松尾隆佑 2019年 法政大学出版局
「3・11の政治理論」第5章、5.3(2)「遠隔参加による住民自治の可能性」で「ポスト政治の政治理論」5章参照と出てきたので、5章を中心に全体的につまみ読み。
予め知っていたこと、聞いたことはあったことの復習 デモス:P4 国民をはじめとする法的に境界を定められた被治者 ステークホルダー:P4 実際に決定権力の影響を被る事実上の被治者 Macdonald, Terry “Global Stakeholder Democracy” P213 デモスを政策争点ごとのステークホルダー共同体へと分割し、このステークホルダー共同体に責任を負う多様なNGOの活動を通じて脱領域的な代表制が確保されることを期待する、グローバルな多元主義 P222 本書は被影響性に基づいて境界を画すことを求め、主権国家秩序に基づく法的なデモスではなく、多元的な公共権力と結びつく機能的なデモスを集合的自己決定の一義的な主体として位置づける立場として、GSDが現代の統治の変容に対応しうる秩序構想であることを擁護する。
新しく知ったこと・覚えたこと・印象に残ったこと ピトキンの代表論、構築主義、サワードの代表論 P148 ステークホルダー・デモクラシーの立場においては、特定の政治社会のステークホルダーと見なされた者が政治主体であり、各政治主体が相互に自律して自己の決定を為すために、重要なケイパビリティを確保可能な諸権利を伴うシティズンシップが保障されるべきであると考えられる。 P150 憲法上の基本権が、同一の政治社会内における政治的平等の制度的担保を通じたデモクラシーの機能への奉仕を目的としている以上、この政治的平等を損なう施策はデモクラシーの自己破壊を意味するものであり、政治社会の集合的義務として回避されるべきことになる。 P274 政治システムにおいても、濃厚な利害関係を有する相対的少数のステークホルダーによる熟議と合意は、希薄な利害関係を有する社会全体による監視・審理・承認を経て、重層的に正統化されるべきである。
感想・解釈メモ
P275から「政党の民主的制御」という節が始まる。そこで①選挙、②政治資金制度、③党組織内部の民主的運営、が挙げられている。
②は現在自民党に疑惑が…。本書では「政党助成金によって公的補助を与える代わりに、その使途を厳しく監督するとともに、資源の偏りから有利不利を生じさせないために企業献金および個人献金を制限することが必要」とあるけど、それ以前の問題や。
③も現在の日本の政治状況と照らし合わせるととても興味深い。日本の政党は、自民党・民主党・国民民主党以外だと党首独裁型が多くない?筆者は非民主的な政党運営を看過できないものとしているけど、現行の法律のもとでは党首独裁が可能よね。旧NHK党の代表争いは見ていて勉強になった。
あと、前回のブログで「ランダムでいいから市民に意見聞いてほしい」と書いたけど、本書によると市民パネルはステークホルダーパネルで代替可能とのこと。私は何のステークホルダーなのか?今後本書を読み進めるにあたって考えよう。
発展・関連学習
同じく「3・11の政治理論」第5章で紹介されていた総務省の「これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会」。
脚注に山下祐介などが参加とあったので、お、と思って、その検討会の報告書を読んでみた。
里山留学とかってこの流れで生まれた施策なのかな? 余談だけど、前回読んだ「地方創生の正体: なぜ地域政策は失敗するのか」(山下祐介、金井利之 筑摩書房 2015年)によると、東大生は東京出身者が多いらしい。地方から東大へって減ってるみたい。 松尾隆佑シリーズをさくさく読んでいきたいところだけど、図書館で見つけて借りてきた本たちの返却期限が迫っているので、しばらくそちらをがんばって読む!

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