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「3・11の政治理論」7(終)

  • scallopshcolarship
  • 2024年1月19日
  • 読了時間: 3分

読んだ本 「3.11の政治理論」 松尾隆佑 2022年 明石書店

P214-243


予め知っていたこと、聞いたことはあったことの復習

 原発事故賠償及び放射性廃棄物処理の責任者は東電だが、国も事故処理の前面に立っている。その費用は税金や電力料金で広く国民全体から回収される。

 放射線被ばくすると、細胞のDNAが傷つきがんになる可能性がある。その他脱毛や白血病などの健康被害が起こる。⇐市民が放射性廃棄物や原発を受け入れられない原因①

もちろん、喫煙・飲酒、食事・運動などの生活習慣もがんの要因となる。

 アカウンタビリティ(説明報告の義務、答責性)⇐法的・社会的・経済的な制裁

 そもそも8000Bq/kg基準でいいのか問題


新しく知ったこと・覚えたこと・印象に残ったこと

P220 「政策の(非)決定が何らかの追加的な不利益分配をもたらさざるをえないことから、汚染廃棄物処理をめぐる合意形成はもともと困難な条件を抱えている。」

P225 「国が住民から誠実性を疑われ、信頼を失っていることは、アカウンタビリティの不備を示している。」⇐市民が放射性廃棄物や原発を受け入れられない原因②

・除染土の再生利用は合理性が高いとは言い難い政策である。

・政策形成のあるべき姿 公論喚起⇒認識の共有、相互信頼の基盤づくり⇒合意形成を段階的に行い、相互信頼を積み上げる。⇒「住民」を中心としたステークホルダーによる負担引き受けの同意⇒負担を引き受けることになった特定地域に、幅広い「住民」が参加可能な協議の場を制度化する


感想・解釈メモ

 能登半島で地震が起きてから数日間、政治家などが「ボランティアで被災地に駆けつけないで」とアナウンスしていた。

 その時じつは5ch(2chを引き継いだ掲示板サイト)の一部で「きっと志賀原発で重大な事故が起きていて、だから能登半島から人を遠ざけようとしているんだ」「政治家がすぐ被災地に行かないのは、原発が危険だと知っているから」などのうわさが流れていた。その後二週間以上が経ち、どうやらあのうわさはガセだったみたい。

 ただ、こういううわさが出るということが、原発関連の公式発表は信じられないという人々がいることを表している。

 原発は安全でクリーンと謳っていたのに福島の原発が爆発して放射性物質が大拡散したことが、日本人のトラウマになり、情報不信に陥らせている。

 情報不信になってしまう一因に、科学者・専門家のなかにも原発反対派がいるということも挙げられる。つまり、原発は反対論にも理があり、危険だという意見は無視できない。

(それなのに原発を手放す気のない日本政府。原発って覚せい剤みたいなものなのか。一度やりだしたら、…。それとも、稼働停止している原発も多いから例えるならアルコール中毒者の断酒中のようなもの?奈良漬けのキュウリはもとのキュウリに戻らないという。)

 結局、事故で拡散した放射性物質であれ、原発内に保管されている使用済み核燃料であれ、いずれ日本国内のどこかで処理しないといけない、決定しないといけない時が来る。「国の責任」「政治の決定」に任せて負担を「周辺」に押しやり不可視化するのではなく、タブー視せずに国・電力会社・市民・自治体首長等が専門家の意見を踏まえつつ情報と意見を出し合い議論をするのが理想的で民主的。その時、国や電力会社は通り一遍で取り付く島もないような応答ではなく、普通の市民が納得できる詳しい説明をする必要がある。

 
 
 

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