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試行錯誤の下塗りと中塗り準備



生漆で摺り漆した器に、下塗りを重ねていく。作業前にテレピンで筆を洗う以外、生漆には何も混ぜないやり方。

たれと縮みが怖いので気を付けて薄塗にしようとしてすごく時間がかかる。肩も凝る。

先月金継ぎをしたことを除いて全く漆を扱ったことがなかったので塗って乾かすたびに「こんなに黒くなるんだ!」と驚いている。



初心者が困ったことと今のところの対策を挙げると…

【困難1】

テレピンが臭い。テレピン由来か漆由来か不明だけど自分の尿まで臭いが変になったような…。

買ってしまったテレピンを捨てるわけにもいかないので、なるべくテレピンの使用回数を減らすのと、使用場所とゴミ置き場を物理的に隔離したり換気したりする。

【困難2】

かぶれる。手袋靴下などを身につけても、空気中に出てくる成分でどこかしらかゆくなる。良かれと思って髪を包んでまとめてから作業していたら、ノーガードだった耳の裏がかゆくなったりもした!

今はなるべく皮膚の露出は減らして作業しているけど、ちょこちょこ断続的に作業するときはその度にいちいち完全防備していられないし、夏はずっとゴム手袋つけてられないだろうし。

耐性ができるのを期待しつつ、磨ぎなどは素手でやってしまっている。

かゆいけどやり過ごすのみ。強行。

【困難3】

塗る手順がよくわからない。一度に全体を塗ろうとすると、最後に持っているところの漆がはげるよね?

今は下塗りなので部分ごとに日を分けて塗って、境目にむらが出たら研いだり次に塗るときに調整したりしているけど、中塗り以降は漆も固くなるし、あんまり境目は作りたくない…。

でも、宙に浮かせて塗ったり乾かしたりすることはできないんだから、やっぱり目立たない場所を犠牲にするしかないのかな?

お箸は先だけ色が違うとか、太い方でも持つ辺りだけ色が違ったり飾り絵が描いてあったりするのがあるから、部分ごとに塗る方式で最後まで仕上げる方向で考えた方がよいかも。

お椀はまず中を塗って、次に伏せた状態で高台のきわまで塗って、持ち手付き吸盤を畳付につけてひっくり返し、縁を塗って、最後に慎重に高台をもって吸盤を外し、板に載せる…。

などと思案中。

ちなみに持ち手付き吸盤はネットで見つけて買ったのだけど、“吸盤”というアイテムの存在を知るのに苦労した。みんなどうやってお椀持ってるの?と思って動画とか写真を見て。

多分プロは高台の内側に棒を付けるための様々なジョイントを個人で作って保有していると推測した。

【困難4】

失敗により思ったより漆を浪費してしまう。

今日は生漆をなやしくろめした。その時点で、水分が減って2割ほど重量が減る。そこまではいい。

その後濾す段階で、器具準備の不手際により漆がでっかい容器の底にだーっと広がってしまい、へらでかき集めたものの集めきれず。

アルミチューブに詰め替える際にもたくさん道具にくっつけて無駄に。

結局、100グラムの生漆から、くろめ漆として保管できたのはなんと15グラム!

なやしくろめをさらに繰り返して上塗りの漆に使うつもりだったけど、絶対足りん。多分中塗り3回できるかどうか…。

道具や濾し紙についてしまうのはある程度仕方ないので次回は生漆の量を多めにしつつ、無駄な器具を介さないようにうまくやらないといけないな。

なやしくろめのため(と、家族がお餅とか焼くため)に七輪を購入!(夫が。)

なやしくろめ自体はそんなに苦労もなくできたので、次回はそこ以降の段取りをしっかりして再挑戦したい。

【困難5】

お椀が丸い。当たり前だけど。丸いものを磨くの難しい。道具を工夫しつつ、修行あるのみ?

【困難6】

道具の謎。幸運なことに広重製の赤毛の刷毛を手に入れたものの、ほぐし方がわからなかった。

ネットで調べたところ…なんと、刷毛を使えるように整えるために、専用の刃物があるそうで。木槌もいるそう。

すでに材料や道具、設備関係諸々でたくさんお金を使っているし、材料と消耗品は定期的に追加購入が必要。

ここ2か月ですでに贅沢な国内旅行ぐらいの投資額。成果物は1、2か月後にお椀二つとお箸二膳ができる。たぶん。

広重の刷毛は初期状態で毛先を出してくれているので、横板だけカッターで取り、メーカーを信じて毛先はいじらず使ってみる。

使い込んで削り出しが必要になったら、刃物も買わざるを得ない。

まあ、漆塗からさらに彫刻や蒔絵、挽き物にまで手を広げる人もいるんだし、刃物一本持っていても無駄にはならないだろう。

しっかり調べてから買えば。

木槌は子どものおもちゃの鉄琴を叩くやつで代用した。お湯で洗って、ちゃんとほぐれたと思うんだけどわからない。漆を付ける前の、あるべき刷毛の状態がわからない。

上塗り用だけど、まず中塗りに使って調子を確かめていく予定。

 

試行錯誤しながらだけど、なんとか最後まで仕上げたい!紋紗塗素敵だなあとか、ちょっと金粉まいちゃおうかなあとか、欲も出てくる。

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